江戸絵画が好き!

屏風は琳派、襖は京狩野、掛け軸は若冲、仏像は慶派

美術展レポ百番勝負-001-岡田美術館「金屏風展」①

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箱根・岡田美術館「金屏風展 ―狩野派・長谷川派・琳派など―」<後期>

屏風絵は“会いに行けるアイドル”だ!


屏風絵、好きです。
日本美術に本格的にハマったのは2018年。これまでも「若冲展」など話題の展覧会にはに参戦してきましたが、今年2019年の「奇想の系譜展」がダメ押しでした。あれはすごかったですね。
若冲の絵がすばらしいのは知っていましたよ。というか、それが目当てだった。でも、若冲の展示は混んでいたので、先のスペースに進み、そこで対面した曾我蕭白の「群仙図屏風」のインパクトといったら! 怖いよ狂っているよ面白いよ。長沢芦雪の「龍図襖」もすげー。なんじゃこりゃ。狩野山雪の曲がりくねった梅の枝も、好きだわ。とハートを撃ち抜かれっぱなし。

日本画、すごい!
と良い年齢なのにIQ30ぐらいになって、どつぼにハマりまして、それでジャンキーになっちゃったんです。日本画中毒。またあの感動が欲しい。美術展に行けばきっとまたあの電撃に打たれたような気持ちが味わえるはず。
ハァハァ言いながら、今年はもう20以上の日本美術展に通っております。

そのときに屏風絵や襖絵をたくさん見たからか、とにかくサイズの大きな絵が好きなので、絵巻物などだとちょっと物足りない。理想的なのは縦は天井まで横は部屋の入り口までドドーンと広がる襖絵(障壁画)ですが、なかなか見られるものでもないので(9月に二条城で見ました)、屏風は現実的。美術展には必ずと言っていいほど展示されているし、その前に立つとテンションが上がる。会いに行けるアイドルみたいな距離感。


2019年のマイ流行語大賞は「六曲一双」だったりします。この言葉を聞くと、わくわくしてしまいます。「今度のライブ、六曲一双、出るの? なら行くよ」みたいに。

勝手に琳派三大国宝金屏風を選定(見た自慢)

さて、箱根の岡田美術館で「金屏風展」が開かれているというので、今年、琳派三大国宝金屏風(勝手に命名を制した私が行ってきましたよ。

ちなみに琳派三大国宝金屏風と思うもの

俵屋宗達「風神雷神図屏風」9月に京博で見た

尾形光琳「紙本金地著色燕子花図」5月に根津美術館で見た

尾形光琳「紙本金地著色紅白梅図」2月にMOA美術館で見た

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他に宗達「源氏物語関屋及び澪標図」もありますが(これも今年見た気が…)
「国宝」「やまと絵ではない」「絵画として画期的である」がそろったものを選んでおります。

最近どうも狩野派がキテる


 さて、岡田美術館の金屏風展。目当ては尾形光琳の「菊屏風」と狩野派の金屏風。
「菊屏風」は今年1月にここを訪れて、一度見ているのですが、ひと目で心を奪われてしまい…。もう一度じっくり見たかったのです。

 狩野派は、これまでまったく眼中になかったのですが、最近、面白く感じられるようになったんですよね。
 東博の特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳北斎まで―」で狩野永徳の「唐獅子屏風」「檜図屏風」を見てからだと思います。あれはすごかった。すぐ目の前に安土桃山という時代があった。

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最近、9月に京都・二条城障壁画展示収蔵館で見た狩野山楽の「松鷹図」もすごかったんです。圧倒されました。スケールのでかすぎる三面の襖絵をひとつの作品としてカウントすると、今年ベストの作品かもしれない。

https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/wp-content/themes/nijojo/assets/img/introduction/highlights/ninomaru/img_ninomaru_shoheki.png

www.asahi.com


同時に京博で見た山雪の「雪汀水禽図屏風」

http://www.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2013_03/event_02/images/img_02.jpg

もすごかった。語彙力ないけれど、永徳&京狩野すごい。

 

 そんなこんな琳派狩野派も見られる「金屏風展」には、ぜひとも行かずばなりますまい。
 京都遠征したばかりで金欠の折、小田急の普通電車で片道3時間近くをかけ行って参りました。普通電車ならバス含めて新宿から片道1500円程度で行けるんですね。

 岡田美術館館長、小林忠さんのギャラリートークにも参加してきました。
 金屏風の説明として印象に残ったのは…

・昔の日本の家屋は暗かったので、金色に輝く屏風を飾って、ろうそくなどを反射させ室内を明るくするねらいがあった。
・近代の作品は、部屋を飾るというより、展覧会での“映え”を狙って作られた。
・金箔の値段を考えると、金屏風、実はそこまで画材費はかからない。
・四季図など、屏風は基本的に右隻→左隻と見ていく。 ※例外もある
ということでした。

 前置きが長くなりましたが、というか前置きしか書いていませんが、続きでは金屏風展で感動した絵を3つ選びたいと思います。